信楽焼

信楽焼は、日本六古窯のひとつと数えられています。1200有余年の昔、聖武天皇が紫香楽の宮を造営された時、この地の陶土で、瓦を焼かれたのが信楽焼のはじまりとされております。

その後、良質な陶土を生かし素朴で味わい深い焼物が鎌倉時代の種壺、鎌倉時代の茶道具等、幾多の名品として生まれ、多くの茶人や名士を楽しませてまいりました。

現在に至っては伝統工芸品に指定され、土と炎が作り出す素朴で温かみのある独特の焼き上がりが信楽焼の魅力になっています。

白道窯

滋賀県甲賀市信楽町入ヶ谷に、1982年「白道窯」を築窯。

窯の名前の「白道」とは、月の通り道として、古来より宗教用語で「びゃくどう」とも呼ばれ、極楽浄土に通じる白い道とされています。

白道窯では、ガス窯を主体として、穴窯を使い分け和・洋の食卓用品や花器等多種な作品を一点一点手作りで製作しています。お客様が求める「色」「形」「風合い」等を最高の技でカタチにし、お客様の注文で、一点から中量まで柔軟に製作しています。

穴窯

2018年2月、窯焚きをしました。極寒の中、三昼夜窯を焚き続け焼き上がりを楽しみに待ちました。

穴窯は煙害等で今では焚く事が厳しくなり、行っている件数も減り作品も貴重になっています。その点、白道窯は山を背にするという立地に恵まれ、窯焚きが自由に出来、製作を楽しめます。



作者紹介

~川口隆之~

1947 滋賀県甲賀市信楽町に生まれる
1965   滋賀県立信楽高等学校を卒業
  滋賀県立信楽窯業試験場に陶芸を学ぶ
1966 滋賀県立信楽窯業試験場にてろくろ科を卒業
1982   滋賀県信楽町入ヶ谷に「白道窯」を築窯
1989   地元を中心に展覧会等に出品
1999 第68回信楽陶器総合展において、読売新聞社大阪本社賞を受賞する
2001 第70回信楽陶器総合展において、日本経済新聞社賞を受賞する

2006

信楽焼総合部門にて、伝統工芸士の認定を受ける
2008 第78回信楽陶器総合展において、優秀賞を受賞する

作品の出展や寄贈をし、陶芸を通じて社会に貢献する活動をし現在に至る

ろくろ作業

~作者のこだわり~

信楽焼のぬくもりを感じていただきたいため、

機械ろくろは使わず、製品は一点づつ手作りによる製作にこだわっています。

こんな物を作ってほしいと依頼があれば、今まで積み重ねてきた技術を駆使し、出来るだけきめ細やかに対応しています。

日常の生活の中で少しでも「やすらぎ」を感じていただける物づくり、そしてその物づくりを通じて人と人との繫がりを大切にし、これからも技を極め続けていきます。

また伝統工芸士として、その技を後世に伝えていく事にも努めてまいります。